2021/10/19
ERPの変更について
こんにちは。
東京センチュリーシンガポール、カーリースチームです。
本コラムではシンガポールでの車に関する知っていて損のないお役立ち情報等を発信していきたいと思います。
本日は早速、ERPシステムの変更についてご紹介させて頂きます。
【アジェンダ】
(1) ERP (Electronic Road Pricing) とは?
(2) 予定されている変更点及び変更後について
(3) 変更スケジュールについて
(4) 変更への準備について
(5) 最後に
(1) ERP(Electronic Road Pricing)とは?
ERPとはシンガポールの都市部の道路での交通渋滞を防ぐために1998年から政府により導入された電子道路課金システムです。日本では高速道路の「ETC」が広く普及していると思いますが、シンガポールでは高速道路に限らず、市街地の各所にこのERPが設置されており、通行料金を徴収します。料金は通常$2程度となりますが、道路の混雑状況に基づき30分毎に料金の調整が行われ、車両が多い時間帯には料金が高くなっていきます。
【料金徴収の方法】
シンガポールに登録されている殆どの車両には「IU」と呼ばれる機器が設置されており、
このIUがERPのゲートと通信することで料金を計測します。IUにはキャッシュカードを差し込むことが出来、そこから料金が請求されるシステムです。
万が一、IUが設置されていない場合や残高が不足した場合には罰金が課せられます。
(2) 予定されている変更点及び変更後について
2020年、当地LTA(陸運局)はシンガポールに登録されている全車両を対象に、現在取付けられているIUから新たなERP用機器である「OBU(on board unit)」に切り替えるとの変更を発表しました。
現在LTAから発表されている新たな機器である「OBU」及びERPシステムの詳細情報は限られておりますが、この中で現在お伝えできることを下記ご紹介していきたいと思います。
① IUからOBUへ
現在車載器として取り付けられているIUがOBU(on board unit)に取り換えられます。
現在のIUはERPゲートとの通信で料金の計測及び通行料の支払いしか出来なかったものが、変更後のOBUでは地図の閲覧、リアルタイムでの交通情報、駐車場情報や工事エリア等を見ることが出来る予定です。支払いにおいても、現在はキャッシュカード及びEZlinkカード(日本のSuicaのようなカードです)しか使えなかったものがクレジットカードやデビットカード、また登録を行えば口座からの自動引き落としも可能となる予定です。
OBUは下記3つの機器で成り立ちます。
- ①タッチスクリーン
- ②アンテナ
- ③データ処理を行う情報機器
②物理的なERPゲートでの課金からデジタルマップ上への移行
現在はERPゲートが各所に設置されて課金を行っていますが、変更後は物理的なゲートに頼らず、衛星通信を用いて位置情報及び広域通信網からデジタルマップ上で課金ポイントを設定して課金するシステムに変更の予定です。
(3) 変更スケジュールについて
LTAからは今年の後半にも全車両を対象に順に取付作業を開始する、との発表ではありましたが、現時点では未だ開始されておりません。LTAによると1年半程度の演習を重ねた後、2023頃実際に変更するとの事です。
(4) 変更への準備について
弊社ではLTAからの案内があり次第、順番にお車をお預かりさせて頂き、LTA指定の場所で取り付け作業を行います。お客さま側で特にご用意頂く事はございません。
お車を当地にて所有されている場合は、下記LTAのWebから情報を入手頂き、
LTAの案内に沿ってOBUをお取り付け下さいませ。なお、この変更にかかるOBUの代金等は全て無料とのことです。
【LTA Web site】 https://www.lta.gov.sg/content/ltagov/en.html
(5) 最後に
以上シンガポールのERPシステムの変更についてご紹介させて頂きました。
何かご質問に等ございましたら、お気軽に弊社までお問合せください。最後までお読みいただきありがとうございました。